kumacchi
テリトリーを身に付けよう
― ボールと身体で「自分の空間」をつくる導入メニュー ―
🔍 このメニューのねらい
- テリトリー=自分の支配する空間という感覚を身につける
- ドリブルやボールタッチを通じて、身体とボールの一体感を育てる
- 周囲に人がいる状況での空間認知と判断力を自然に引き出す
⚽ メニュー一覧
① その場でできる10のボールタッチ
〜自分の足元をコントロールする〜
- 【目的】ボールに慣れ、身体の動きと連動させる
- 【内容】足踏みしながらボールを飛び越える、ボールの周りを回る
足裏タッチ、インサイド、イン→アウト、スライド、アウトターン、
シザーズ、ステップオーバー、インアウトロール、V字、ボール乗り
- 【声かけ】「領域の中でボールを持って!」「顔上げる時間を長くしてみよう!」
- 【意識点】最初はボールを見ながらでもいいけど、少しずつ顔を上げる意識を持たせる
ある程度やり方が分かれば、②へ移行する
※動画を後日公開予定!
② 動きながらボールタッチ
〜自分のテリトリーを移動させてみよう〜
- 【目的】動きの中でもボールを扱う力を養う
- 【設定】グリッド内を自由に移動しながら、先ほどのボールタッチを繰り返す
グリッドの広さ:(人数)m×(人数)m ※10人なら10m×10m
- 【声かけ】「どこが空いてる?」「どうすればぶつからない?」
- 【意識点】ボールタッチをしながら空いてる場所を探すために顔を上げる
スピードはゆっくりでいいので、肩の力を抜いてプレーできるように
- 【発展】ボールタッチの組み合わせをコーチが提示or子ども達のアイデアで
③ ドリブルの中で空間を意識する
〜テリトリーを守りながら動く〜
- 【目的】他者との距離を感じながら自由にドリブルする
- 【設定】同じグリッド内でドリブルし、他の子とぶつからないようにする
(スピード自由→徐々に上げる)
- 【声かけ】「空いてるところはどこ?」「次に空きそうなところはどこ?」
- 【意識点】ぶつかりそうになったら一度止まる→方向転換
焦って無理やり方向転換するのは少しずつ減らすように!
- 【発展】スペースを見つけてそこにスピードアップして進入→次のスペースを探す
※次のスペースを探すときも止まらずに動きながら
人と人の間(ゲート)が開いてたらそこに侵入(ゲートへの意識)
④ 合図で反応チャレンジ
〜止まる・ターンする・フェイントするなど即時対応〜
- 【目的】状況認知と即時反応の習得
- 【設定】ドリブル中、コーチの合図でストップ/フェイント/足裏ストップなどを実施
- 【声かけ】「音を聞いてすぐに変化できるかな?」「ボールと一緒に止まろう!」
- 【発展】複数合図(音・色・ジェスチャーなど)を使って難易度調整
⑤ ドリブルで広がるチャレンジ
〜コート全体を使って、空間認知を鍛える〜
- 【目的】コート全体を見ながらドリブルするイメージを持つ
- 【設定】全員でドリブルしながらコートをできるだけ均等に広がるように移動。コーチの合図でストップし、そのときの分布が「いい感じ」なら成功
- 【声かけ】「次はどこが空きそう?」「仲間の狙いを感じて!」
- 【気を付けること】途中から全体的に動きが減る
→コーチも入って全体が動くようにかきまわす
④の合図などで移動するようなアクションを起こさせる
- 【始め方】②~④の途中でストップをかけて「周りを見てみて」という
子ども達が「みんな固まってる!」と気づくと自然と⑤が始まる
📝 コーチの視点メモ
- ポイントは「上手くやること」よりも「空間を感じること」
- ぶつかってしまってもOK。その中で「避けよう」「考えよう」とするプロセスが大切
- 基本トレーニング②では対人要素を入れて、自然な判断を促す
ABOUT ME
サッカーコーチ歴18年
ジュニア~ジュニアユースのチームコーチ
低学年(1~4年生)を担当し15年
サッカーの楽しみ方を追求中