保護者向けシリーズ 「勝ちたいのは誰?」サッカーで子どもを潰さない親になるための10のヒント

「目先の勝利」よりも、「10年後の笑顔」のために
〜勝ち負けだけでは語れない、子どもの本当の成長〜
「ナイスプレー!」より先に、「勝てよ!」と言っていませんか?
週末のグラウンド。
ボールを追いかけるわが子に、気づけば声を荒げている――。
「なんでそこパスしないんだよ!」
「シュート打てって言ってんのに!」
「負けたのにヘラヘラするな!」
そんな場面に、心当たりはありませんか?
子どもが一生懸命がんばっているのは確かです。
でも、その一生懸命さが「勝利につながっていない」と、大人はついイライラしてしまいます。
これは、親としてごく自然な感情でもあります。
しかし、その“勝利への執着”が、気づかぬうちに子どもの可能性を閉ざしているかもしれません。
子どもが「勝ちたい」と思う気持ちで十分
サッカーは勝負のあるスポーツです。
子どもだって、負けて悔しい気持ちはあります。
その「勝ちたい」という思いが、自発的に育まれていくことはとても大切です。
ですが、そこに大人が“過剰に”勝利を求めるようになると、子どもは苦しくなります。
- ミスしたら怒られる
- 楽しんでいたら「ふざけるな」と言われる
- チャレンジするより、安全なプレーを選んでしまう
これでは、サッカーを通じて育つはずの「自信・創造力・人間性」が失われてしまいます。
私たちが見るべきは「目の前の1勝」ではなく「未来の100勝」
子どもにとって大切なのは、
「今日の試合で勝ったかどうか」ではなく、
「この経験から何を感じ、何を学び、どう変わっていけるか」です。
一度の勝利は、一瞬の喜び。
でも、一度の悔しさは、一生の学びの種になることだってあります。
だからこそ、大人である私たちはこう考えたいのです。
「試合に勝ったから良かった」ではなく、
「この経験が、将来の成長につながるかどうか」が大切なんだと。
10年後子どもが笑っているか――そこに向き合うシリーズです
このブログシリーズでは、
「サッカー少年少女を支える保護者の皆さま」に向けて、
“長期的視点”の大切さと、“関わり方のヒント”を全10回にわたってお伝えしていきます。
- 子どもの本当のやる気を引き出すには?
- 試合に負けたとき、どんな声をかけるべきか?
- 大人が前のめりになると、なぜ子どもが潰れてしまうのか?
- 楽しさを奪わずに成長を促す、親としての関わり方とは?
それぞれの記事は、保護者のよくある悩みに寄り添いながら、
「子どもにとって本当に大切なこと」を見つめ直す機会になるよう心がけています。
まずは立ち止まって、自分に問いかけてみてください
「私は、勝ち負けに振り回されすぎていないか?」
「この関わりは、子どもの10年後にとってプラスになっているか?」
子どもたちは、私たち大人の“まなざし”から多くを学びます。
ぜひこのシリーズが、
あなたとお子さんのサッカーライフを、もっと豊かで前向きなものにするきっかけとなれば嬉しいです。

目次一覧
第1回 子どもは勝ちたい、大人は育てたい。ズレが生む違和感とは?
第2回 「勝ちたい」という子どもの気持ちは、最大の成長エンジン― 親が知っておきたい、子どもが自走するための“内発的動機” ―
第3回 「勝たせてあげたい」がプレッシャーになるとき― 子どもを支えるつもりが、知らぬ間に重荷になる ―の声かけ術〜
第4回 負けたときこそ、子どもは一番成長する〜「悔しい」という感情が、子どもを次のステージへ押し上げる〜
第5回 子どもが「楽しい!」と感じるサッカーに勝手に伸びていく〜楽しさが、努力を努力と感じさせない最大の原動力〜
第6回 「勝ちたい!」は自然な気持ち。でも、そこにある落とし穴とは?〜子どもの「勝ちたい」を、成長につなげる大人の関わり方〜
第7回 勝ち負けで一喜一憂する親の姿に、子供は何を感じてる?~子どもの“心の中”をのぞいてみる~
第8回 「ちゃんとやって」の前にできること~大人の声かけが子どものチャレンジを止めることがある~
第9回 子どもの“その日そのとき”の背景に目を向けてみよう〜見えない疲れや心の揺れを理解する視点〜
第10回 大人が変われば、子どもはもっと伸びる〜環境が子どもの才能を引き出す〜